制作物のクオリティを向上させるために知っておきたい原稿準備のコツ
印刷物にせよ、ホームページにせよ、ご依頼をいただいた以上は全力を尽くして制作を行うのが我々の常ではありますが、それでもお客様の協力無しでは出来ぬことも数多くあるものです。
特に、最初の最初である「原稿」につきましては、これの準備状態によって品質や納期が大きく変わってしまうことも多く、まずはこの原稿をどう準備するかがポイントとなってくるでしょう。
と、いうわけで、今回は制作物の心臓である「原稿の準備」について書きたいと思います。
目次
原稿のご用意について
制作にあたり、必須となるのが、元となる「原稿」なわけですが、これも用意する方法を工夫していただくことで、制作のゆとりを作り、早期の確認、修正が出来ることから、短期間でもクオリティ向上につながります。
文字原稿について
文字原稿については、手書きよりもパソコンを使ったテキストだと早いです。
手書き文章の場合、一文字ずつ文章を打ち込み、文字校正の後、お客様側で再度文字校正をするのはもちろん、読めない文字の確認などで相談をする回数が増えてしまいがちなため、どうしても時間がかかってしまいます。
これがパソコンを用いたテキストであれば、制作はコピー&ペーストにて流し込みが出来ますので、制作側の打ち込みミスはなくなり、文字校正によるトラブルを軽減させることが出来ます。
時間も相当に圧縮出来るため、制作スピードが上がります。
写真原稿について
写真は出来れば大きなサイズのものが望ましいです。
中にはメールでの送信容量制限の都合上、小さなサイズにされることもありますが、特に印刷物の場合はパソコンでの見た目より5倍の大きさが求められるため、最大サイズの写真原稿をご用意いただくことで、写真のクオリティを落とさず、制作側で十分な加工が出来るようになります。
どうしてもデジタル写真が用意出来ず、プリントされた写真を使わなければならない場合は、原本を直接お借りするか、スキャニングをする場合は「解像度350(ない場合は350以上で近い数字のもの)」でスキャンしていただければサイズとしては問題ありません。
ただし、最初から小さな写真はどれだけ加工をしても元データより綺麗になることはほとんどありませんので、その点についてはご留意ください。
どうしても特殊な風景写真やスポット写真、人物写真のように用意出来ないと言う場合は、フリー写真素材集やストックフォトを使うことをお勧めします。
■ストックフォトサイト
PIXTA
fotolia
imagenavi
ストックフォトは高品質高画質の写真を印刷物、商用Webなど多くの用途で自由に使うことが出来ます。
有料であること。物によっては非常に高額になる場合もありますが、それに見合うだけのクオリティがあり、デザインがワンランクアップすること間違いなしです。
無料写真素材集サイト
ぱくたそ
.foto project
2000ピクセル以上のフリー写真素材集
写真AC(高画質の写真は有料会員登録必須)
その名の通り、無料で印刷物、商用Webサイトでも利用出来る写真を提供しています。
無料である分利用者は非常に多く、他社制作のものでも同じ写真を使っていたりすることも多く見受けられ、使いどころはよく考えるべきかもしれません。
しかし、一昔前は無料だからやむを得ないと言った程度の品質でしたが、近年では無料でありながらも非常にクオリティの高い写真を利用出来ることから、さらに需要は増えているようです。
イラスト原稿について
イラストをご用意いただく場合、元イラストをお借りするか、写真原稿同様に解像度350程度でスキャニングをしてご用意いただければ幸いです。
ちょっとしたコツとして、モノクロイラスト(黒線のみのイラスト)の場合のみ、解像度1200でスキャンするとよりクオリティを上げられるかもしれません(ものにもよりますが…)。
スキャナーがない場合はこちらでスキャンも可能ですが、最近はコンビニエンスストアのマルチコピー機が非常に優秀で、セブンイレブンのスキャナー機能であればA3サイズでも綺麗にスキャンが出来てオススメです。
ご注意いただきたい点として、イラストは原稿の中でも集めるのが難しい部類のものということもあり、インターネット上から用意されるケースも多く見られますが、これらのイラストも著作権があり、勝手に使っていいものではありません。
利用する場合は「商用利用可能」と明記されたイラスト素材集のページから使うようにしましょう。
また、印刷物の場合は商用利用可能イラストであっても、小さなイラストだと綺麗に印刷ができません。こちらも写真と同様、パソコンからの見た目のおよそ5倍程度の大きさが必要となりますのでご注意ください。
参考資料について
これは制作者によって考え方に違いがありますが、参考となるデザイン資料などがあるとありがたいです。
印刷物であれば、お客様が理想としている書籍やチラシ、ポスター。ホームページであれば、参考にしてほしいホームページのURLをご用意いただくことで、よりお客様の要望に近いものが出来るかと思います。
参考デザインから、テキストだけ差し替え、写真だけ差し替えで全く同一のデザイン…というのはちょっと問題ですが、参考を元に、メインカラーの指定、写真やイラストの配置の再指定などをいただくなどしていただければイメージも掴みやすくなるので、より早い段階で校正の準備ができます。
原稿準備のコツ
お客様にとって最も手間のかかる作業が原稿の準備となりがちですが、ちょっと一手間加えるだけで、最終的にスムーズな納品となること請け合いですので、是非参考にしていただければと思います。
文字原稿は最初から校正してミスを無くしておく
文字校正の難しいところは、お客様の考えるニュアンスと、制作者の考えるニュアンス、言葉の理解度、専門用語の知識などからミスマッチを起こしやすいところです。
そのため、PHI-WORKSでは文字校正についてはお客様に全てご確認いただくようお願いしております(もちろん、明らかに文字やスペルが違う、文体・表記揺れを見つけましたらご報告します)。
原稿準備の中でも、文字原稿は最も手間のかかる作業の一つですので、時間がかかりがちなものではありますが、最初の段階で出来るだけ文字校正を行い、確実な原稿をご用意いただければ、修正のたびに文字校正をし直すといった手間がなくなります。
ほとんどの場合で、文字原稿と言うのは制作物の命でもあります。最も時間がかかりがちですが、ここをしっかりと抑えておくのが、クオリティアップと納品までの時間短縮のためのポイントとなるでしょう。
綺麗な写真を撮る
理想を書き出すとキリがありませんが、なにもデジタル一眼レフで撮影しなければならない、高額なカメラを用意しなければならないというわけではありません。
もちろん、所有されているのであれば活用すべきですが、スマートフォンのカメラ機能でもコツを掴めばかなり綺麗な写真が撮れますので、「適当な撮影」はせず、色々工夫してみることをお勧めします。
参考サイト
上手に撮れる!スマホの写真撮影5つのコツ
スマホト撮影 How to
デザインをよく見せるには、やはり画像というのは不可欠な存在でもあります。
特に写真の場合、ただ「綺麗で良い写真」と言うだけで目を惹くことが出来うるものですので、妥協せず撮影してみてください。
(ちなみに、有料オプションとはなりますが、近隣の場合や撮影品の手配をいただければPHI-WORKSでも撮影いたします。)
メールの送信容量制限がかかった場合
メールにて原稿を送信いただく際に、プロバイダーの送信制限から、大きなサイズの写真などが送れない場合があります。
その場合は下記のサービスを利用すると便利です。
宅ファイル便であれば、ファイル送信とメール送信を一括で行うことが出来ます(なぜか印刷関連の業者さんに人気です)
ギガファイル便・データ便は、送信したいファイル一式を圧縮し、指定箇所にドラッグ&ドロップすることによって出力されるURLをメールにコピーペーストして送信いただければ、あとはこちらでダウンロードを行います。
最後に
お客様からのご依頼において、また、製作においても、原稿はその心臓ともなるものです。
どれだけ制作者が頑張っても、お客様の協力無しではいいものは生まれません。
原稿一式丸投げと言う場合でも全力は尽くしますが、それでも納品までの道のりはお客様との共同作業であるということをご理解いただけると、より高い品質で、より早くいいものが完成するのは間違いないことなのです。
原稿準備は何かと手間のかかる作業ではありますが、当方も準備のための協力は惜しみませんので、まずは何よりも、最初の段階をこだわってみるのもいかがでしょうか?